画面とは何か
第2部では設計原則を紹介します。その前に、「画面とは何か」を考えておきましょう。
システムの全体像
Section titled “システムの全体像”業務システムには、多くのオブジェクト(もの・こと)が存在します。ユーザー、注文、商品、配送、権限…。これらは互いに関連し、複雑なネットワークを形成しています。
人間は、この全体を一度に把握できません。
画面 = システムの切り口
Section titled “画面 = システムの切り口”画面とは、システム全体から「人間が把握できる範囲」を切り出したものです。
ユーザーは、この「切り口」を通してシステムを操作します。
切り口の基本は、2種類です。
- 一覧: 複数のオブジェクトを一望します。比較、選択、一括操作に向いています。
- 詳細: 1つのオブジェクトを深く見ます。関連するオブジェクトも一緒に表示します。
実際には「ダッシュボード」(複数の情報をまとめて表示)や「レポート」(分析結果を表示)など、バリエーションもあります。しかし、多くの業務画面は「一覧」と「詳細」の組み合わせで構成されています。
切り口から切り口へ
Section titled “切り口から切り口へ”ユーザーは、システム全体の中から、見たい部分を次々と切り替えていきます。
- 一覧で選んで、詳細を開く
- 詳細から、関連するオブジェクトの詳細へ
- 詳細から、一覧に戻る
- 一覧を絞り込んだり、並び順を変えたりする
この切り替えはスムーズでなければなりません。ユーザーが「今どこにいるのか」を見失わないように、切り口同士の関係は明確であるべきです。
「入力画面 → 確認画面 → 完了画面」のような一方通行の遷移は、この自由な行き来を制限してしまいます。
操作は「その切り口」で行う
Section titled “操作は「その切り口」で行う”この考え方に立つと、操作(登録、編集、削除、承認…)はその切り口の中で行えばいいことが分かります。
| 操作 | 自然な場所 |
|---|---|
| 新規作成 | 一覧の中で(インライン追加) |
| 編集 | 詳細の中で(インライン編集) |
| 削除 | 一覧または詳細の中で |
「登録画面」「編集画面」を別に作るのは、同じ切り口で見られるものを、わざわざ別の画面に切り出していることになります。
第2部の読み方
Section titled “第2部の読み方”以降の原則は、この「画面 = システムの切り口」という考え方を前提にしています。
| 原則 | 切り口の視点で言うと |
|---|---|
| 画面名は「何を見ているか」で名付ける | 切り口には「何が見えるか」で名前をつける |
| 登録はその場で行う | 一覧という切り口の中で追加する |
| 編集はその場で行う | 詳細という切り口の中で編集する |
| 確認画面は最低限にする | 切り口を増やさず、取り消しで対処する |
| モードレスを優先する | どの切り口を見るかは、ユーザーが自由に決められる |
| 状態と操作を分離する | オブジェクトの状態を、操作の副作用で変えない |
| ステップではなく不足条件で示す | 切り口を順番に開かせるのではなく、何が足りないかを示す |
| 見たいものを先に見せる | 切り口は「方法」ではなく「見たいもの」で決める |
この視点を持って、各原則を読み進めてください。