はじめに
このガイドについて
Section titled “このガイドについて”Webアプリの画面設計でよく見かけるパターンと、その改善の考え方をまとめたガイドです。
「入力画面 → 確認画面 → 完了画面」のような画面遷移。当たり前のように作られていますが、本当に必要でしょうか?
技術の問題でも、人の問題でもなく、整理の仕方によって、システムは使いやすくも使いにくくもなります。このガイドでは、そうした構造的な視点から画面設計を見直していきます。
このガイドは、以下のような人を想定して書いています。
| ペルソナ | 状況 | ゴール |
|---|---|---|
| 開発者の山田さん(30歳) | レビューで「この画面遷移、複雑すぎない?」と指摘される | 設計の根拠を説明できるようになりたい |
| 設計者の佐藤さん(35歳) | 毎回「入力 → 確認 → 完了」を作っているが、本当に必要か疑問 | シンプルな設計パターンを身につけたい |
| 改善担当の田中さん(40歳) | 10年もののシステムが画面だらけで使いにくい | どこから手をつければいいか知りたい |
「なぜこの画面が必要なのか」を問い直したい人に向けて書いています。
読者別ガイド
Section titled “読者別ガイド”| あなたが… | おすすめの読み方 |
|---|---|
| 開発者 | 第3部のケーススタディから。コード例は付録にあります |
| 設計者 | 第2部の原則から。「なぜこの設計が良いか」の理論を押さえる |
| 改善担当 | 第4部から。現状把握と提案の進め方を確認してから他を参照 |
通読する場合
Section titled “通読する場合”第1部から順に読むと、考え方の背景から理解できます。
辞書的に使う場合
Section titled “辞書的に使う場合”- 原則を知りたい → 第2部(設計の考え方)
- 具体例を見たい → 第3部(ケーススタディ)
- 改善を進めたい → 第4部(改善の進め方)
- 用語が分からない → 付録(用語集)
- 画面設計でよくある問題を整理する
- シンプルな設計の考え方を共有する
- 改善のヒントを提供する
「画面を減らす」ことが目的ではありません。必要な画面だけにすることが目的です。
対象システム
Section titled “対象システム”このガイドは、以下のようなシステムを想定しています:
- 認証(ログイン)がある
- CRUD操作が中心
- RDBを使用
顧客管理、注文管理、申請システム、管理画面など、データの登録・更新・削除が中心のWebアプリが対象です。
パブリック向けWebサイトや、リアルタイム通信が中心のシステムは想定していません。
このガイドは画面(UI)を起点に考えています。
UIが複雑であれば、それを実現するコードはさらに複雑になります。UIをシンプルにすることは、コードをシンプルにする前提条件です。
なお、このガイドではソースコードの書き方には深く言及しません。実装パターンやアーキテクチャについては、各技術スタックのベストプラクティスを参照してください。
ただし、画面の課題はDB設計とも深く関わっていることが多いため、その関係にも触れていきます。「確認画面をなくす」には、DBの状態管理を見直す必要があるかもしれません。
| 部 | 内容 | 読むと分かること |
|---|---|---|
| 第1部 | このガイドについて | 背景と問題意識 |
| 第2部 | 画面とは何か + 7つの設計原則 | 画面を減らす考え方 |
| 第3部 | ケーススタディ | 典型パターンと再設計例 |
| 第4部 | 改善の進め方 | 現状把握から提案まで |
基本的な考え方
Section titled “基本的な考え方”このガイドでは、以下のような考え方を基本にしています:
| よくある設計 | このガイドの考え方 | 難易度 |
|---|---|---|
| 登録画面と編集画面を分ける | 同じフォームで対応できる | ★★☆ |
| 確認画面を挟む | 取り消しできれば不要なことが多い | ★★☆ |
| 入力と表示を別画面にする | 同じ画面で切り替えられる | ★★☆ |
| ステップで順序を固定する | 不足条件で示せばいい | ★★★ |
難易度は変更範囲の目安です。★が多いほどDB設計の見直しが必要になります。詳しくは第4部「どこから始めるか」を参照してください。
画面を減らすことで、シンプルで使いやすい設計になる可能性があります。
このガイドの原則は、すべてのケースに適用できるわけではありません。
- 法的要件がある場合(電子契約、金融取引など)
- 不可逆な操作の場合(外部システム連携、本番反映など)
- バッチ処理の場合(CSVインポートなど)
例外については、第2部の「例外と関係」および付録「シンプルにできない領域」で詳しく説明しています。
このガイドは画面構成(何画面必要か、どう遷移するか)を扱っています。
各画面内のUI設計(コントロールの選択、レイアウト、配置など)については、以下を参照してください:
- オブジェクト指向UIデザイン(上野学・藤井幸多 著、技術評論社)
- ソシオメディア ヒューマンインターフェース ガイドライン https://www.sociomedia.co.jp/category/shig
本ガイドで「一覧」「詳細」に画面を整理した後、各画面内の詳細設計はOOUIの原則に従うことを推奨します。
ユーザーリサーチやペルソナ設計など、より上流の設計手法については以下を参照してください:
- About Face(Alan Cooper 著)— ゴール指向設計の原典
| このガイドの領域 | OOUIの領域 |
|---|---|
| 画面構成の決め方 | コントロールの選択 |
| 確認画面の要否 | レイアウト・配置 |
| 状態管理・DB設計との関係 | ラベリング |
| ルート設計 | インタラクションの詳細 |
| 既存システムの改善方法 | — |